【Linkin Park】自殺で急逝したボーカル・チェスターを偲ぶYouTubeベスト

 

人気ロックバンド Linkin Park  (リンキン・パーク) のリード・ボーカル、チェスター・ベニントンが、ロサンゼルスの自宅でまさかの自殺を遂げました (享年41)。

その後、Linkin Parkは以下のような公式声明を発表しています。。

 

 

親愛なるチェスター、

 

「僕たちは悲嘆に暮れているよ。(君はもういないという) 現実に向き合いながらも、悲しみと否定したい気持ちに押し流されそうになっているんだ。」

「チェスター、君は大勢の人々の人生に触れたんだ。きっと君が気付いている以上にね。この数日間、僕たちは世界中から本当にたくさんの愛とサポートを受けたんだ。」

 

「タリンダ(チェスターの妻、40歳)たちはそのことにとても感謝しているし、世界中の人々に、君が最高の夫であり良きパパと息子であったことを知って欲しいと思っているよ。」

「チェスター。君の家族は君なしでは完全ではないんだよ。」

 

 

☆  Linkin Parkは世界中で7000万枚以上のアルバムを売り上げています
 

☆  世界はチェスター・ベニントンの損失を深く嘆き悲しんでいます

 

 

 

リンキン・パークとは…

Linkin Parkは1996年にアメリカで結成されたロックバンドです。ラップシンガーのマイク・シノダを中心として、オルタナティヴ・ロックからメタル、ヒップホップ、ラップなど、幅広いジャンルの音楽要素を取り入れています。

まずはじめに、中高時代の親友だったマイク・シノダとブラッド・デルソンがバンドを結成し、その後高校卒業時に友人だったロブ・ボードンを誘い、バンド「Super Xero」を結成。その後、フェニックスジョー・ハーンも加わりバンド名は「Xero」に変更されます。さらに、マーク・ウェイクフィールド (チェスターの前のボーカル)が加わり本格的に始動。

 

ただし、結成当初はメンバー全員が学業や仕事で大変だったうえ、バンド活動はあまりパッとせず。。。そんな中、1998年にボーカルのマークが脱退。その後、知人の紹介で知ることになったチェスターに興味を持ったバンド側と、バンドの音楽性に感銘を受けたチェスターが相思相愛し、オーディションを受けたチェスターは即加入が決定したのです。

ちなみに、チェスターのあまりにも卓越した歌声を聴いた他の候補者たちは、オーディション会場をスタスタと寂しげに帰っていったそうです。

 

 

これを機にバンド名をHybrid Theoryに変更。そして、悪戦苦闘しながらようやくレコード会社と契約するも、同名のバンドがすでにいたため、「それじゃあ、LINCOLN  PARKってのはどうだ?」とチェスターが馴染みの公園名を提案。

ただ、、、この名前はインターネットのドメイン名がすでに抑えられており断念。結局、LINCOLN PARK と同じ発音であるLINKIN PARK に落ち着いたのです。

(まさかそんな経緯でバンド名が付けられていたとは驚きですね)

 

そして、Linkin Parkは2000年にメジャーデビューを果たし、ファーストアルバム「Hybrid Theory」が爆発的に大ヒット!彼らは世界的に超有名なミュージシャンとなったのです。

 

 

 

 

メンバー  &  アルバム

《 メンバー》

 

◉  チェスター・ベニントン (1976-2017) (ボーカル)

◉  マイク・シノダ (ラップボーカル、ギター、キーボード)

◉  ブラッド・デルソン (ギター)

◉  デイヴ・ファーレル (愛称:フェニックス) (ベース)

◉  ジョー・ハーン (DJ)

◉  ロブ・ボードン (ドラムス)

 


 

通常はマイク・シノダがラップ、バックコーラスを、チェスター・ベニントンがメロディック、ロック、シャウトを担当。このツインボーカルの役割分担が、リンキン独自の緩急ある曲展開を織り成しており最高なんです!

 


《 アルバム 》

①  「Hybrid Theory」 ( 2000年) 大ヒット

②  「Meteora 」  (2003年) 大ヒット

③  「Minutes to Midnight」 ( 2007年) ヒット

 

 私が彼らのライヴを体感したのは2007年7月7日の “Live Earth”  (千葉・幕張メッセ) で、このライヴは本当に最高のパフォーマンスでした!

 

④  「A Thousand Suns」 ( 2010年)

⑤  「Living Things」    ( 2012年)

⑥  「The Hunting Party」  ( 2014年)

⑦  「 One More Light」  ( 2017年)

 

 

Linkin Parkはまさに、世界的モンスターバンドと言っても過言ではないでしょう!

 

 

♪ Talking To Myself ♪     (from “One More Light” )

 

 

 

 

チェスターの死に衝撃を受けたメンバーたち

「一緒に、何年も先の話までしたよな。君がワクワクすると、それがみんなにも伝わったものさ。君がいなくなり、穴ができてしまった。その穴はけっして満たされることはない。君の声は荒々しく、面白かった。野心に溢れクリエイティブだったし優しくて豊かだった。」

「それがこの部屋から消えてしまったんだ。僕たちは今、自分たちにこう言い聞かせようとしている。君を俺たちから奪った悪魔だけど、それも契約の一部だったんだとね。だって、君は悪魔(苦悩)について歌ったから。」

 

「そんな君に、みんなが恋をした。君は恐れもせずに表現し、そうすることで僕らを団結させた。もっと人間らしくなるよう教えてくれたんだ。君には誰より大きなハートがあったし、それを表現することができたんだよ。」

「音楽を創り、パフォーマンスを披露すること。そういうことに対する愛情はけっして消せやしない。僕らが今後どのような道を歩んで行くのか、それはわからないよ。でもこれだけはわかる。僕たち全員の人生は、君のおかげでより良いものになったんだ。そのような贈り物をくれた君に、感謝します。君が、ものすごく恋しい。また逢う日まで。」

 

 

♪ Good Goodbye ♪  (feat. Push T and Stormzy)

 

 

 

 

なぜチェスターは死を選んだのか

チェスターの遺体は2017年7月20日の朝に発見されました。ロサンゼルスの自宅で自ら首を吊ったのです。当時、部屋にはチェスター1人。現場に薬物などはなく、中身が半分残った酒のボトルだけが残されていたそうで、遺書は見つかっていません。

生前、酷いドラッグ依存に陥っていた時期のあるチェスターですが、彼をそこまで追い詰めた原因の一つは子供時代に受けた “虐待行為” だったのかもしれません。チェスターは7歳頃から13歳まで性的虐待を受けていました。

「(何歳か年上の友達による虐待は)ちょっと触ってみるという、好奇心からエスカレートしていった。完全なるクレイジーな侵害行為にまでね。」

 

「ボコボコに殴られ、したくないことまで強いられたんだ。あの経験で、僕は自信を喪失してしまった。」

「でも人にゲイだとは思われたくなかった。自分が嘘をついているともね。あれは、とにかく酷い経験だった。」

 

チェスターは、虐待行為をした人物の名を明かすことはありませんでしたが、この経験が彼に大きな打撃を与えたことは想像に難くありません。

そんなチェスターは、子供時代に両親の離婚も経験しています。これにより「父親に捨てられた」と感じたチェスター。次第にドラッグなどに依存するようになっていきます。

 

 

そのせいで17歳の頃には母親に家から追い出され、ミュージシャンとして活動を始めてもなおドラッグは止められなかったといいます。酒に溺れた時期もあり、精神的にはギリギリのところで頑張っていたのでしょう。

2005年に離婚した後、アルコール依存症や鬱状態に苦しんだことを告白していたチェスターは、2009年に「僕は自分のライフワークが自分の手を離れていってしまったように感じていた。家から出られない、何もできない、そんな状態になるまで酒を飲んでいた。自殺したかった。」と語っていました。

 

ちなみに、再婚した元プレイメイトの (2人目の) 妻 との間には3人の子が誕生し、1人目の妻との間には子どもが1人、その前に交際していた女性も彼の子を出産しています。この女性が別の男性ともうけた子もチェスターは養子にしたため、子供の数は計6人。

鬱を患っていたチェスターですが、死を選んだ時点ではシラフだったという報道もあります。悩みが多く、壮絶な人生を送った彼にとって一番大きかったことは、サウンドガーデンのクリス・コーネルの死!事実、ある関係者は「クリスとチェスターはとても親しかった。クリスが亡くなってからのチェスターは変わってしまった。」と証言しています。

 

 

チェスターは、最後のアルバムとなった「One More Light」の中に自殺的な考えをほのめかす曲を残しています。シングル曲「Heavy」の歌詞は、彼の苦悩に満ちた精神状態をほのめかしているように思えるのです。

「僕は今の自分の気持ちが好きじゃない。どうでもいい (些細な) ことを問題にして積み重ねている。それらを押さえつけることができたらいいのに」

 

また、コーラス部分では以下のように歌っています。

“If I just let go, I’d be set free”

 

きっと激しい苦悩から解放されたかったのでしょうね。

 

 

ただ、この曲はバンドメンバーみんなの合作で、メンバーはこの曲ができた経緯について以下のように語っています。

「”Heavy” は、人生における不満やトラブルなどについてメンバー同士で会話をしたことからインスピレーションを受けて作られた曲なんだ」

 

そして、マイク・シノダはこう述べています。

「チェスターは、この曲が書かれた日、本当に悩み苦しんでいたんだ」

 

 

♪ Heavy ♪  (from “ One More Light” )

 

 

 

 

ところでマイク・シノダってどんな人?

マイク・シノダはLinkin Parkの中心人物であり、ラッパー、リズム・ギタリスト、ソングライター、キーボード、プロデューサーとマルチな才能を発揮しています (チェスターが亡くなった2017年時点で40歳)。

そう、彼こそがLinkin Parkの核なのです。

 

マイク (左) とチェスター (右)

 

そしてマイクは、2004年からFort Minor (フォート・マイナー) と呼ばれるヒップホップ・スタイルの新たなプロジェクト活動も行なっています。さらに、他のアーティストのために楽曲を提供したりアルバムをプロデュースしたりもしています。

そんな彼の父親は日本人です。アメリカ・カリフォルニアで生まれ育ち、かわいい弟がいます。チェスターほど大人数ではありませんが、マイクも結婚していて2人の子供がいます。

 

 

 

 

チェスター・ベニントンに捧ぐ ☆ YouTube ☆ ベスト

1st アルバム「Hybrid Theory」から7thアルバム「One More Light」に至るまで、Linking Parkのリード・シンガーだったチェスターの力強くも叙情的な歌声は、世界中の人々の心に何かを残してくれました。

そこで、ここでは彼らの卓越した楽曲の数々をランキング形式で紹介してみたいと思います。

 

 


 

14位.   A Place For My Head    

(Album: Hybrid Theory)

 


 

13位.   One Step Closer  

(debut single)  (Album: Hybrid Theory)

(Live Earth 2007, Japan)

 


 

12位.   Somewhere I belong  

(Album: Meteora)

(英語 & 日本語 歌詞付き)

 

この曲は切ないイントロから始まり、マイク・シノダのラップもなんだか悲しい感じがする曲です。それにしても、ラップとボーカルの (リンキン・パークらしい) 掛け合いは、切ないながらもやっぱりカッコイイです!

 


 

11位.    Given Up    

(Album: Minutes to Midnight)

(英語&日本語 歌詞付き)

 


 

10位.   Castle of glass    

(Album: Living Things)

(英語&日本語 歌詞付き)

 


 

9位.   Leave out all the rest  

(Album: Minutes to Midnight)

この曲は「もっと人気があってもいいのに」と多くのファンが思っている曲の一つではないでしょうか。美しいメロディと歌詞の内容がとてもよく、「この曲が一番好き」というリンキン・ファンもいるほど。ぜひ聴いてみてください。

 


 

8位.    Waiting For The End

(Album: A Thousand Suns )

 


 

7位.  What I’ve done  

(Album: Minutes to Midnight)

(Live Earth 2007, Japan)

 

この曲は映画「トランスフォーマー」の主題歌として使用され、その後、New Divideも「トランスフォーマー リベンジ」の主題歌となっています。

地球温暖化や戦争、テロ、原爆、貧困、公害、格差社会など、様々な社会問題に訴えかける映像となっており、非常に話題となりました。

みんなでもっともっと社会問題の解決の道を考えていきましょうね!

 


 

6位.  Papercut  

(Album: Hybrid Theory)


ファーストアルバム「Hybrid Theory」のオープニング曲「Papercut」は “Why does it feel like night today ?(なぜ今日は夜のような感じがするのだろう)”という言葉で始まります。そして、 “It’s like a whirlwind inside of my head(まるで頭の中に旋風が起こっているよう)”という言葉がコーラスで歌われています。

 

当時の私はリンキン・パーク、特にチェスターのおかげで、暗闇の中にいるように感じられた時期を持ちこたえることができたのかもしれません。

ちなみにこの曲は、サビ以外はマイク・シノダのラップがメインという、近年のLinkin Parkでは考えられないほどヒップホップ色の強い曲です。曲が始まる前のイントロ部分が物凄くかっこいいですね!

 


 

5位.   Faint  

(Album: Meteora)

(Live Earth 2007, Japan)

 

余談ではありますが、Linkin Parkの真骨頂である「Faint」と、Jay-Zのヒップホップ「Jigga What」のマッシュアップ「Jigga What / Faint 」は最強の融合曲です。

ヒップホップ好きにもたまらない一曲では?
 

♪ Jigga what / Faint ♪

 


 

4位.   Crawling

(Album: Hybrid Theory)

 


 

3位.   Bleed It Out  

(Album: Minutes to Midnight)

(Live Earth 2007, Japan)

 


 

2位.   In The End

(Album: Hybrid Theory)

(Live Earth 2007, Japan)

 

ファースト・アルバム「Hybrid Theory」からシングル・カットされた曲であり、個人的にはこの曲に一番の思い入れがあります。なぜなら、(当時) 海外の友人たちとカラオケに行く時は必ず歌う曲だったから。

マイク・シノダのラップがかなり多用されていて、ヒップホップとハードコアの融合の完成度が高く、とてもカッコイイ曲です!ピアノの旋律も印象深いですよね!

 


 

1位.   Numb  

(Album: Meteora)

(英語&日本語 歌詞付き)

 

この曲は、全体的にメロディが悲しすぎるのに美しすぎます。何回聴いても飽きない曲ではないでしょうか。おそらく、「Numb」と「In The End」がなかったら、こんなにもLinkin Parkファンは多くなかったことでしょう。それほどまでに、この2曲は超越しています!

 

 

 

 

Live Rock Werchter 2017 (Full Show)

 


 

《 Set List 》

1.   Talking To Myself    (00:58〜)

2.   Burn It Down    (04:47〜)

3.   The Catalyst   (08:38〜)

4.   Wastelands   (13:41〜)

5.   One Step Closer   (17:00〜)

 

6.   Castle of Glass   (21:14〜)

7.   Good Goodbye   (24:57〜)

8.   Lost In The Echo   (28:07〜)

9.   New Divide   (31:38〜)

10.  Invisible   (36:20〜)

 

11.  Waiting For The End   (40:01〜)

12.  Breaking The Habit    (45:35〜)

13.  One More Light    (50:00〜)

14.  Crawling   (55:27〜)

15.  Leave Out All the Rest    (58:47〜)

 

16.  Somewhere I Belong  (1:03:26)

17.  What I’ve Done    (1:07:02〜)

18.  In The End    (1:11:29〜)

19.  Numb  (1:15:11〜)

20.  Heavy    (1:18:42〜)

 

21.  Papercut    (1:21:56〜)

22.  Bleed It Out   (1:25:09〜)

23.  Faint (1:29:42〜)

 

  オレンジ色の曲は2017年発売の7thアルバム 「One More Light」からの楽曲になります

 
 


 

2017年5月、チェスターは、ロックバンド「サウンドガーデン」や「オーディオスレイヴ」でボーカリストを務め、映画「007 カジノ・ロワイヤル」の主題歌  “You know my name” を歌ったクリス・コーネルの葬式で 「ハレルヤ」を歌いました。

(クリスは、デトロイトのホテルの一室で首を吊っていなければ、7月20日に53歳の誕生日を迎えているはずでした)

 

その7月20日を選んだかのように、チェスターもまた自ら命を絶ってしまったのです。

クリスはチェスターの友人でありヒーローでもありました。比類ないボーカリストで、依存症やうつ病との闘いの仲間でもあったのです。

 

他に何か方法はなかったのでしょうか…

 

 

2011年、チェスターは東日本大震災が発生したときに日本に励ましのメッセージを送ってくれました。支援活動にも取り組んでいたチェスター。

『One More Light』はチェスターの調子が良くないことを考慮して作られた作品…ということだったので、その予兆が無かったわけではないのですが、とても悔やまれます。この最新作のオープニングトラックのタイトルが   “Nobody Can Save Me”  だったのも皮肉な話です。

 

 

R.I.P. チェスター…