日本人はなぜ英語が「苦手」「話せない」の?

 

「国際化」が進み、英語のような国際言語への「要求」はどんどん大きくなってきています。しかしながら日本人は、何年も英語を勉強しているにも関わらず、「聴くこと」「話すこと」がとっても苦手。つくづく「マスターできていないんだなぁ」と実感させられます。中・高の6年間は必須科目として勉強しているのに、結局「日常会話レベルでさえマスターできていない」のです。

ある調査において、(非英語圏における) 日本人の英語レベルは72カ国中35位にランク付けされています。トップ3はオランダ・デンマーク・スウェーデン。アジアの中ではシンガポールが6位、マレーシアが12位、フィリピンが13位、インドが22位、そして韓国が29位です。多くの日本人は「少なくとも6年間」学校で英語を学んでいるのに、なぜこんなにも「できない」のでしょうか?

 

日本の英語教育は間違っている

「日本人が英語を話せない」理由はいくつかあります。これから新たに言語を学ぶのであれば、同じ罠にかからないようにしなければなりません 。通常、この散々たる結果は日本の学校教育の在り方に起因していると考えられています。

「受験対策」「文法第一主義」ばかりで、実戦の会話時間があまりにも少なすぎます。多くの時間は静的作業の「読み」「書き」に費やされてしまっているのです。

 

リスニング(聴くこと) は会話の重要な要素であるにも関わらず、むしろ受動的。日本の学校では、「文法の正確さ」にフォーカスが置かれています。学生は黒板に書かれたことを全コピーして、テストに備えてそれを記憶することに多くの時間を費やします。

その結果、「英語の授業は退屈だ」となるわけです。先生自身、同様の方法で教わってきているのです。こうして、十分な英会話スキルは身につかないまま長い年月のみが過ぎ去っていくのです。

 

 

 

それにしても、なぜ話せないのかなぁ?

「テレビ」「ノート」「バッグ」など、多くの英語は外来語として日本語にもなっています。さらに私たちは、高校を卒業すれば、簡単な英会話をするのに必要な英単語 (2000語) くらいは身につけているはずです。それでも日本人は英語を話すことができません。いったいなぜ???

島国だから?「協調の文化」だから?日本語と英語の周波数が違うから? そうした理由もありますが、シャイな性格に問題があるとも考えられます。

確かに日本人は人前で率先して話すことをしません。さらに、「間違えるのが怖い」「パーフェクトな英語を話さないといけない」と考えてしまいます。ある意味、自分自身に「沈黙」を強要しているのです。

 

 

 

「話せない」5つの理由

 

①  不十分な授業

日本人は多くの語彙と生半可な文法を学びますが、実際の使用方法を学ぶことはありません。だからこそ、これからの授業には「補強」が必要!現実の社会において、「どのように使われ」「どう使っていくのか」を習得する必要があります。「会話」「プレゼンテーション」「映画鑑賞」の機会を増やしていきましょう。

 


②  教師 – 生徒の関係性

日本の伝統的な講義中心の教育は、「黙ること」「先生に注目すること」を強く要求します。ちょっとした刑務所のようですね。先生が話している間、みんな行儀よく静かにしていますが、実は誰も聞いていない、なんてことも。

 


③  練習不足

「たくさん学んで」はいるのですが、知識を応用するには至っていません。「話す」ためには 技術が必要!「知っている」ことと「実際にそれを使う」ことは大きく異なるのです。そのために、適切な練習をしなくてはならないのです。

 


④  シャイな性格

日本人には案外、「話さないで逃げる」ことが許されています。場合によっては、話さないことが奨励されることも少なくありません。「お口にチャック」「余計なことは喋らない」・・・日本はそんな文化に基づいている社会なのです。加えて、私たち日本人は間違いなく「世界で一番シャイな民族」の一つなのです。

 


⑤  「英語が話せなくても困らない」と思っている

日本に暮らしている限り、英語を使う必要性はほとんどありません。多くの日本人にとって、「英語はそれほど重要ではない」のです。

 

 

 

おわりに

日本政府は今後、CEFR (TOEICのような資格・検定試験の一つ) で高校を卒業する全ての生徒が「B1レベルの英語力に到達すること」を目標に掲げています (評価レベルは6段階あって、下から「A1」「A2」「B1」「B2」「C1」「C2」となっています)。

「B1」は、「身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる」レベルとされています。例えば、仕事や学校、日常生活の場において、「当たり前に遭遇するお馴染みの問題を理解できること」「海外旅行で起こりそうな様々な状況に対処できること」「自分の意見や関心ごとなどを英語でパパッと言えること」などです。

うーむ … しかしながら、全員がそのレベルに到達するためには「英語漬け」生活を送る必要がありそうです。実際のところ、義務教育化の英語教育において、多くの学生たちが「B1」レベルに到達するのはかなり厳しそうです。それよりも、自動翻訳機に期待すべきかもしれませんね。