伝説のメジャーリーガー「ベーブ・ルース」以来となる (投手&打者の) “二刀流スーパースター” の登場に、日米の野球ファンのみならず世界中からかなりの注目を集めている大谷翔平選手 (2018年春)。
その大活躍っぷりに対して野球評論家の張本勲氏は「まぐれなのか、はたまたアメリカ野球のレベルが落ちてしまったのか」…といった発言をしています。張本氏いわく「その両方だ」「8番バッターだし」ということらしいのですが。。。
一方で、アメリカのメディアは大絶賛!オープン戦 (調整期間) において散々たる結果だった時には大バッシングの嵐だったのはどこ吹く風。。。
「走・打・投」3拍子揃った超人的な活躍っぷりに、驚きを隠すことなく120% 褒めちぎっています!
そんな大谷翔平選手は、週に1度先発ピッチャーとしてマウンドに上がり、DHとして打者としても活躍していくことが期待されています。もちろん、それは本人が一番望んでいることです。
その起用法についてマイク・ソーシア監督はこうコメントしています。「彼は投手を務めなければならない時がある。だから我々は彼がピッチングできるように準備を整えなければならない。」
つまり、打者として三試合連続ホームランをかっ飛ばしていても、投手としての役割も大事なので先発投手としてマウンドに上がる日曜日の前後の試合は打者はお休み。。。
これが基本のローテーションとなることでしょう。
投手としての大谷翔平
スプリングトレーニング中 (2018年度のシーズン開幕前) は投打ともになかなか結果を出せなかった大谷翔平選手ですが、まずは投手としてのデビュー戦 (4月1日のアスレチックス戦) では6回3安打3失点6奪三振の好投を演じ初登板&初勝利を飾りました。その後は打者として3試合連続本塁打を放っています。
このように、MLBに登場した久々の二刀流選手として注目度抜群の大谷選手ですが、シーズン開幕前後のあまりの豹変ぶりに驚嘆させられた人も少なくないはずです。シーズン前の不調の主な原因は「環境の変化」によるものですが、それにしても「適応力の高さ」には驚かされるばかり。
投手としての大谷選手は、日ハム時代と今では明らかに違いがあります。日本での大谷選手は投球動作の中で体幹を一度三塁方向に倒してから投げていたのですが、メジャーでの投球では二塁方向に傾斜するようになっていました。(短期間で) 見事な修正がなされていたのです。
つまり彼は、もっと球速を上げるためには「腕以上に体幹の運動方向や速度の大きさが大事」だということに気づき、すぐに修正してきたのです。「確立されているフォームを変えること」はそう簡単にできるものではありません。
しかし、大谷選手はいとも簡単にこれをやってのけました。「速いボールをコントロールよく投げる」ために。この結果、力を抜いて (力をあまり使わないで) 動作を行うことができるようになり、繰り返す投球の中で疲労しても安定した投球が可能となったのです。桑田真澄投手のようなピッチングです。
元々大谷選手はやや制球力に問題のある投手だったのですが、メジャー初登板のアスレチックス戦で四球はわずかに1つで、ストライク率も68.5%(92球中63球がストライク)。スピード・パフォーマンスを低下させずにコントロールがよくなった大谷投手!さらに進化したと言っていいでしょう!
打者としての大谷翔平
打者としてのメジャーデビューは、第2戦・3戦・4戦で三試合連続のホームラン!日本人メジャーリーガーの3試合連発は、松井秀喜選手以来2人目です。8番DHで出場し、「ホームランの感触はすごく良かった。芯でとらえていたし、しっかり自分のスイングが出来たかなと思います。」とのこと。
バッティングに関しても、ピッチング同様改良を加えたことが功を奏しているようです。かつては右足を上げて打つ一本足打法のようなスタイルだったのですが、メジャーでは右足を地面につけたままにしておき、その分球際までじっくりと見ることができるフォームに修正してきました。
足を上げなくなったことで打球の飛距離は落ちるかと思いきや、むしろ飛距離も伸びているような印象です。バッター大谷としても進化しているようですね!
ベーブ・ルースの再来!
大谷翔平選手は、日本プロ野球界において最高のピッチャーであり最高のバッターでもありました。そんな彼がチーム (ロサンゼルス・エンゼルス) のためにやってのけたことは、開幕からわずか9日間で初先発初勝利 & 3試合連続弾!
1930年のベーブ・ルース以来の快挙として地元ファンを呼応分させ続けています。
「エンゼルスは日本からエンゼルを獲得した!」
「彼はイチローのようだ。しかもパワーがある」
「新人王!MVP! そしてサイヤング!」
「全くもって規格外!」
「ショウヘイが打てばチームは勝つ!」
「レジェンドの卵」
「本当にハンサムな男!」
「背が高く、演出が様になる紳士だ!」
「ちくしょー!エンゼルスは今後10年安泰じゃないかっ!」
プロフィール ☆
◉ 出身地 : 岩手県奥州市
◉ 出身高校 : 花巻東高校
◉ 生年月日 : 1994年7月5日
◉ 身長 : 193cm
◉ 右投げ左打ち
◉ プロ入り : 2012年 ドラフト1位
◉ 靴のサイズ : 28.5cm
◉ 血液型 : B型
社会人野球の選手だった父とバドミントン選手の母の末っ子として生まれた彼は、奥州平泉にゆかりのある源義経にちなんで、(義経が戦うときに飛ぶイメージから「翔」の字を用い )「翔平」と名付けられました。
その後、小学校3年生の時にリトルリーグで野球を始めて全国大会に出場。当時から球は速く、小学校5年生にして110km/h を記録しています。
菊池雄星に憧れ、彼の出身校の花巻東高校へ進学。「日本一になる」「日本人最速となる163km/hを記録する」「ドラフトで菊池雄星を越える8球団から1位指名を受ける選手になる」ことを目標に掲げ、「みちのくのダルビッシュ」と呼ばれるまでに成長。
高校時代は怪我もあり、目立った活躍があったわけではありませんが、それでも3年夏の岩手大会でアマチュア野球史上初となる最速160km/hを記録!しかし、高校最後の全国選手権大会出場はなりませんでした。
ちなみに甲子園での通算成績は、14回を投げて防御率3.77、16奪三振。野手としては2試合で打率.333、1本塁打。ドラフト前には日本のプロ球団だけでなくメジャーリーグ球団からも注目され、本人は当初アメリカに行くことを決意していました。
しかし、北海道日本ハムファイターズがドラフト会議で「大谷君には本当に申し訳ないけれど、指名をさせて頂きます」と1位指名することを公表。
当初はそれでも「メジャーに挑戦する」ことを曲げようとしなかった大谷選手ですが、日ハムの誠意ある説得と「母国のプロリーグで実力をつけた選手の方がメジャーリーグで活躍できる確率が高い」「マイナーリーグは過酷だ」といったデータなどから真剣に悩み考え、日ハムに行くことを決意したのです。
投手と打者の「二刀流」育成プランがあったことや、ダルビッシュ有が使用していた背番号11を与えられたことも大きかったようです。
その後、契約金1億円+出来高払い5000万円、年俸1500万円(推定)で仮契約を結んで入団会見をしました。
日本プロ野球時代の成績
《 2013年 》
ピッチャー : 3勝0敗
バッター :
打率 ・・・.238
出塁率 ・・・.284
ホームラン ・・・ 3本
《 2014年 》
ピッチャー : 11勝4敗
バッター :
打率 ・・・.274
出塁率 ・・・.338
ホームラン ・・・ 10本
《 2015年 》
ピッチャー : 15勝5敗
バッター :
打率 ・・・.202
出塁率 ・・・.252
ホームラン ・・・ 5本
《 2016年 》
ピッチャー : 10勝4敗
バッター :
打率 ・・・.322
出塁率 ・・・.416
ホームラン ・・・ 22本
《 2017 》
ピッチャー : 3勝2敗
バッター :
打率 ・・・.332
出塁率 ・・・.403
ホームラン ・・・ 8本
「二刀流」賛成派たちの声
🔵 長嶋茂雄
「バッターも良いけどやっぱりオレはピッチャーだな。とにかく彼はこれまでの日本人が持っていないものを持っている。何より体がいい。」と当初は投手派の意見を語っていた長嶋さんですが、後に「二刀流をやめろとは言えないね。スケールが違う。二刀流のままでいい」と語っています。
🔵 王貞治
将来的に投手と打者のどちらかに専念していくという見解を持ちつつも、「200勝、2000安打のどちらかなんて言わず、両方達成すればいい。」と語っています。
🔵 落合博満
「せっかく自分がやりたいと言っているのにその芽を摘む必要がどこにあるのか。やらせてみて、結果責任は自分で取ればいい。」と二刀流を推奨しています。
そのほか、
松井秀喜や田中将大も本人の意思を尊重した選択を勧めています。
高校時代には野手として高い評価を受けていた大谷選手本人は投手に対する拘りが強く、「世界一の投手」を目標に野球を続けてきました。「誰もやったことがないことをやりたい。160km/hの目標を掲げた時には無理じゃないかと言う声もあったけど、そう言われると絶対やってやる!という気持ちになる。」
「肉体的ピークである25歳までにはメジャーに挑戦したい」と考えていた大谷選手は予定通り2018年、23歳でメジャーリーガーとしての人生をスタートさせました。
彼の目標は、「日本人投手として初のアメリカ野球殿堂入りを果たす」こと。まさに全てが規格外の大谷翔平選手をこれからも応援してまいりましょう!