北朝鮮の金正日にストーカーされた日本人 “プリンセス天功”

 

かつて、世界的イリュージニストのプリンセス天功さんは、北朝鮮の金正日 (キム・ジョンイル) に「俺の愛人になれ」と言い寄られ、身の危険を感じたことがあったそうです。

「将軍様がお待ちですから、朝鮮に来てください」との依頼を断っても、無言電話がかかってきたり、大切にしていたミッキーマウスのぬいぐるみが盗まれたり。。。

 

「いつでもお前を拉致できるんだぞ」という様々なメッセージを受け続け、恐怖に怯えた日々。

今回は、そんな天功さんと北朝鮮の関係を振り返ってみましょう!
 

 

 

 

北朝鮮と関係のあるプリンセス天功

 

◉ あなたは1998年と2000年に北朝鮮を訪問しました。金正日はあなたの熱心なファンで、プリンセス天功のフィギュアを全部持っているとされていますが、それは本当ですか?

「はい」

 

◉ 当時、あなたは「金正日には会いませんでした」と話していましたが、それは真実ですか?

「いいえ、実際には彼と会っていました。」

 

◉ なぜ、あなたは彼に会ったことを明らかにしなかったのですか?

北朝鮮当局は、「公式のことは発言してもいいが、非公式のことは発言してはならない」といつも言っていました。

結局、私は混乱させられ、「私の発言が深刻な問題に発展するかもしれない」と不安になり、「彼に会わなかった」とメディアに話すことにしたのです。

 

 

◉ 今は、それを明らかにしても大丈夫なんですか?

その当時、日本と北朝鮮との関係は今よりもデリケートなものでした。でも、今は状況が違います。

 

◉金正日とはどんなことを話しましたか?

エンターテイメントのこととかイリュージョンについて…日常的なことも色々と話しましたよ。彼は日本にとても興味を持っていました。最初、彼は私がアメリカ人だと思っていたようでした。そして、彼は私が日本人であるにも関わらず、私のアメリカでの成功を褒め称えてくれたのです。

 

◉ あなたの名前がついた劇場が平壌に建設されたというのは本当ですか?

はい、本当です。普通の劇場との違いは、イリュージョンのための秘密のドアが作られていたりすることでしょうか。

 

◉その劇場は何と呼ばれているのですか?

プリンセス天功・シアターと呼ばれています。
 

 

 

 

北朝鮮に拉致されていたかもしれないプリンセス天功

 

◉ 2006年に、「パスポートを1998年の北朝鮮訪問時に取りあげられた」「そしてあなたを帰そうとしなかった」と報じられていましたが、それは本当ですか?

1998年の時も2000年の時も同じような状況だったのですが、いろんなトラブルがあり、帰国は大幅に遅れました。

 

◉ 彼らはあなたに「帰れませんよ」と言ったのですか?

はい。でも、最初 (1998年)のときはそれほどひどくはありませんでした。私が「数ヶ月でまた戻ってきますから。」と言ったら、彼らは私を解放してくれたのです。

 

◉ でも、その後、あなたが1999年に訪れることを拒否した後、変なことが起こりましたね?

はい。誰かが私に電話で「北朝鮮に行くように」と言ってきたのです。そして、(訪問を断ると) 警察官を装った2人の男性が私を連れ去ろうとしたのです。

 

 

◉ 1998年には、あなたの車から盗まれたはずのアンティークのミッキー・マウスがあなたの部屋に置かれていたそうですね。

はい。

 

◉ 警察は、それを北朝鮮の仕業であると断定しましたか?

はい、そう言われました。でも、真相はよくわかっていません。

 

◉そんなことがあっても、あなたは2000年に再び北朝鮮に行きましたね。

はい。2000年になって、私の身にたくさんの圧力がかかりました。それは、私の家族にトラブルが起こるかもしれないことを示唆するものでもあったので、私は話をしに北朝鮮に行かなければならなかったのです。

この時は、身の安全のために、テレビ朝日からTVカメラを借りて、北朝鮮でしていたことを放送しました。しかし、(予定期日を過ぎても半軟禁・半拘束状態だったので) 私の滞在は、長くなってしまったのです。
 

 

 

 

本当に危険な状態にあったプリンセス天功

 

◉ 2000年の訪問の間、重病になっていたそうですが。

まず、この時は「私を帰国させない」というショッキングな話を受けていました。そこで、「ノーバート医師 (1998年に出会ったドイツの医者)に会いたいと頼んだのです。

この時彼は「今飲んでいる薬を捨てなさい。」と言って別の薬をくれたのです。しかし、北朝鮮の当局はこのことを怒り、この後、彼は (北朝鮮を) 去らなければならなくなったのです。

(それ以降も) 私の体調は悪化し、立ち上がることもできないほどでした。結局、1ヵ月ほど病院にとどまらなければなりませんでした。

 

◉ なぜ、彼らはあなたに「帰ることはできませんよ」と言ったのでしょう?

彼らは、「ここにはあなたが働くことのできる劇場がある。生活する場所もある。メイドもいる。」と言いました。「快適に暮らせますよ。」「どこにも行く必要はないんです。」と言ってきたのです。

 

 

◉ それで、最終的にはどのようにして去ることができたのですか?

私は直接、「日本でやらなければならない仕事があります」「1ヵ月で帰ってくるから帰してください」と頼んだのです。

「(アメリカで) 私じゃないとできないアニメのナレーションの仕事がある」ことも話しました。

 

◉ あなたは、その後つきまとわれたんですよね?

はい、長い間つきまとわれました。とても怖くて、
警察に守ってもらうしかなかったのです。

 

◉ また北朝鮮に行く予定はありますか?

いえ、行く必要はないので行きません。

 

◉ それは、もう行くことができない状態だからですか?

はい、おそらくもう行けないでしょうね (苦笑)。