日本を代表するヘヴィ・メタル・バンド、LOUDNESS (ラウドネス)は、元レイジーの高崎晃と樋口宗孝が中心となって結成された、世界的にも有名な実力派ハードロック・バンドです。
1981年にラウドネスとしてデビューした彼らは、1980年代から海外に進出し、その実力を認められ、特にギタリストのAKIRA TAKASAKI は世界共通語になるほど認知される人気を誇ります。
ただ、残念ながら1989年以降は大幅なメンバーチェンジを繰り返し、一時期はオリジナルメンバーが高崎晃しかいないラインナップにもなりました。
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メンバー遍歴
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◉ 第1期 (1981〜1988年)
- 二井原実 (Vo)
- 高崎晃 (g)
- 山下昌良 (b)
- 樋口宗孝 (Dr)
◉ 第2期 (1989〜1992年)
- マイク・ヴェセーラ (Vo)
- 高崎晃 (g)
- 山下昌良 (b)
- 樋口宗孝 (Dr)
◉ 第3期 (1992〜1993年)
- 山田雅樹 (Vo) (元 EZO)
- 高崎晃 (g)
- 沢田泰司 (b) (元 X)
- 樋口宗孝 (Dr)
◉ 第4期 (1992〜2000年)
- 山田雅樹 (Vo)
- 高崎晃 (g)
- 柴田直人 (b) (現 Anthem)
- 本間大嗣 (Dr) (元 Anthem)
そして2000年、高崎がオリジナルメンバーでの再結成を宣言し、2008年まではオリジナルメンバーでの活動が続きます。
◉ 第5期 (2000〜2008年)
- 二井原実 (Vo)
- 高崎晃 (g)
- 山下昌良 (b)
- 樋口宗孝 (Dr)
しかし…
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ドラマー樋口宗孝さん、死す
2008年11月30日…
樋口宗孝さんは肝細胞がんのため49歳の若さで天国に召されました。
♪ In The Mirror ♪ (1984)
Hiroshima Peace Concert (1988)
Set list
- Crazy Doctor
- Heavier Than Hell (5:08~)
- Long Distance Love (11:45~)
- Crazy Nights (17:00~)
- Speed (21:58~)
2008年春にがんと診断 (この時すでに末期の状態) された後、樋口さんは入院 & 手術 (肝臓を半分以上摘出) & 抗がん剤治療で復活を願い、最後まで懸命に病魔と闘い続けましたが…
結局、復帰の想いが叶うことはありませんでした。
ファンの前に再び立つことを信じて最後の最後まで闘い続けた樋口さんは、11月30日午前10時44分、大阪市内の病院で家族に看取られ息を引き取ったのです。
多くのドラマーたちに影響を与えた巨星。きっと今頃は雲の上で、大好きだったお酒を飲み交わしていることでしょう。
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ラウドネスは今も健在なり!
樋口さん亡き後、今のラインナップは以下の通りです。
◉ 第6期 (2009年〜)
- 二井原実 (Vo)
- 高崎晃 (g)
- 山下昌良 (b)
- 鈴木政行 (Dr)
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ラウドネス、まさかのアメリカ入国拒否に…
海外でのライヴ活動が長〜いベテラン・ハードロック・バンド、ラウドネスでさえも、アメリカのドナルド・トランプ大統領が実施しているヒジョーに厳しい出入国管理のため入国を拒否されました (2017年4月)。
ロサンゼルスの空港で入国を許されず、数時間後、日本に返されたのです。その結果、全米7ヶ所を回る予定だったツアーは全て中止。。。
なんてひどい話でしょう!
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元メンバー・沢田泰司の首吊り自殺は謎だらけ
1992年にX (現 X JAPAN) を脱退したベーシストのTAIJIこと沢田泰司さんは、2011年7月、残念ながら45歳の若さで他界…
X といえばギターのhide も自殺か事故死か不可解な死を遂げていますが、このTAIJIの死因はhide以上に謎が多く、ファンは納得できていないことでしょう。
2011年7月11日、成田空港からサイパンに向かう飛行機の中で暴れ、客室乗務員に暴行したとして、逮捕・勾留されます。7月14日、独居房の中で精神錯乱状態となったTAIJIさんはベッドシーツで首吊り自殺を図り、病院へ搬送され、生命維持装置を取り付けられます。
7月16日、母親と恋人 (内縁の妻) がサイパンを訪れ、脳死状態のTAIJIと面会。そして、生命維持装置を切ることに同意したのです。
ただ、自殺とされるこの死因には謎が多く、
「首吊り自殺したと言われるTAIJIの遺体に、首を吊ったら必ずできるうっ血の痕は確認できず、TAIJIの口元に粘着テープが貼り付けられたような痕が残っていた」
検死もせずに自殺と断定している点も不可解で、何かを隠すように遺体は火葬されてしまいました。さらに、日本領事館への連絡はTAIJIが病院に搬送された後の15日という点もおかしいのです。
通常であれば、逮捕された後すぐに連絡されるべきなのです。
当時、TAIJIは女性マネージャーとの確執があり、単なる自殺とは考えにくい点がたくさんあります。本当に、TAIJIの人生は波乱万丈でした。
X在籍時代には傷害事件で逮捕されていますし、その後Xをクビになり、多数のバンドを脱退したり解散させたり、バイク事故で人工股関節を取り付けたり、脳梗塞やてんかんなどの持病を持っていたり、アルコール依存症であったり…
不器用で繊細なロッカーだったのでしょうね。
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余談
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余談ではありますが、1980年代、デイヴ・ムスティン (メガデス) を解雇したばかりのメタリカは高崎晃に加入を強く要請。ただ、高崎晃は「ラウドネスに命を賭けている」「日本人のチームで世界と闘いたい」とこのオファーをきっぱり断っています。
1985年、モトリー・クルーと共にツアーを周った際、前座だったLOUDNESSの方が音が良く、観客のウケも良かったことから、モトリー・クルー側のサウンドエンジニアはクビになりかけたそうです。この時、LOUDNESS側の音量は小さくさせられました。
1987年に共にツアーを周ったストライパーのマイケル・スウィートは、LOUDNESSとツアーを周ったことについて「LOUDNESSはヘヴィ過ぎて僕らとしっくりいかないよ」と愚痴をこぼしたことがあるそうです。
個人的にはストライパーの音楽も大好きなのですが、この2組は音楽性があまりにも異なるため、マイケル・スウィートの言い分は正しいと言えるでしょう (笑)
TAIJIは、後にXJAPANと改名するロックバンドXのベーシストとしてなくてはならない存在でした。メジャーデビューからわずか2年後の1991年に脱退した時には、バンドが解散危機に陥ったほどです。
ただ、TAIJIはX加入当初から、リーダーのドラマーYOSHIKIとは音楽性やファッション性の違いにより争いが絶えなかったといいます。脱退理由についても同様に伝えられていましたが、TAIJIの自伝には、バンド内の収入格差と、YOSHIKIのドラムプレイに文句を言ったため、YOSHIKIとの間の溝が決定的になったからと記されています。
一方で、YOSHIKIの自伝には、「TAIJIが自分との約束を破ったから」と書かれていました。YOSHIKIが言う約束の反故とは、TAIJIがXとして活動中に、かねてから憧れていたLOUDNESSから声をかけられ、セッションオーディションに参加した…という噂。
YOSHIKIは、メンバーが他のミュージシャンと関わりを持つことをあまり好んでいなかったためともされています。どちらの言い分が本当なのかは不明ですが、2人が不仲だったことは疑う余地もなさそうです。
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YouTube
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- Let It Go
- Rock’n Roll Gypsy (2:06~)
- Like Hell (5:20~)
LOUDNESS Live at MADISON SQUARE GARDEN (1985)
- Interview
- Crazy Doctor (6:20~)
- Crazy Nights (8:52~)
♪ S.D.I ♪ (1987)
♪ Soldier of Fortune ♪ (1989) (Vocal : Mike Vescera)
♪ Walking The Dead (1992) (Vocal: Masaki Yamada, Bass: Taiji)
♪ The End Of Earth ♪ (2001)
ひぐっつぁんのドラミング、本当に懐かしいなぁ。
♪ Hit The Rails ♪ (2009)
1980年代からず〜っと第一線で活躍し続けているラウドネス。そして今は亡き樋口宗孝さんのドラミング。感極まるものがあります。
Rest In Peace…
♪ King Of Pain ♪ (2010)
♪ Break New Ground ♪ (2012)
♪ The Sun Will Rise Again ♪ (2014)
“LOUDNESS、早死にしたメンバーに捧ぐ人気曲動画まとめ” への1件のフィードバック
1986頃よりLOUDNESSをずっと聴いていました。その頃からLOUDNESSが私にとっての音楽の基準になっていて、一般的な音楽に魅力を感じられなくなり偏った感性のまま人生を過ごしました。最近こちらのサイトの様なLOUDNESSに関する記事を読むにつけ、自分の感性は歪んだ感性でなく、単に素晴らしいものに魅了されていたのかな…と安心します。LOUDNESSは偉大な音楽家だと思います。